あたし彼氏。オレ彼女。
「あっ、下でシゲくんと麻知が待ってるって」
あ、そうなの?
んじゃ早く体操着か何かに着替えて帰ろう。
風邪引く。
「行こう?」
手を引かれるがまま俺と美知琉は歩きだした。
キュッキュッと上履きが床に擦れる。
「おい美知琉。滑りやすくなってるから気をつけろよ」
「えっ?」
クルッと俺の方を振り向く美知琉は
「…あ、…わあっ!」
見事に足を滑らせた。
「っ…あっぶねぇな…」
「ごめん…ハハッ。また落ちるとこだったよ、ありがとー」
咄嗟に美知琉を支えた。
けど、
注意力がなかったんだ。
体制を直そうとしたら俺が足を滑らせた。
「…郁!!!!」
.