あたし彼氏。オレ彼女。
「いーくーっ!ただいまーっ!美智琉ちゃんきてんだってー!?」
……………こわっ…!
ぴたりと止まった郁に閉じていた目を開けると、そこには鬼のような険しい顔をした郁がいた。
「…い、郁…」
「郁ーっ!母さん帰ってきたぞーっ!イチャついてんじゃねーぞ」
「美智琉ちゃんも郁が狼になるまえにおいで〜!」
下から大声でさりげなく恥ずかしいことを言う夏姉たちとは裏腹に
郁の苛々度は増していくばかりだった。
「…っせーんだよ。良いとこだったのに」
ボソッと言う郁の言葉は下にいる夏姉たちには届くはずもなく。
「郁ーっっ!」
「わかったよ!!!!!!うっせーなっ!!少しは黙りやがれっっっ!」
郁の叫び声が部屋中に響いた。
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