あたし彼氏。オレ彼女。
今日は体育はないし着替えは大丈夫だろ。
特に大変になりそうなことはないかな。
「郁…あたしたち大丈夫かな?」
心配そうな目で俺を見てくる。
誰だって怖い。
こんな状況ありえないことだし、バレたらどんな目で見られるか…。
こんな俺が弱気じゃ美知琉が可哀相だ。
「…大丈夫だよ。
俺がついてるから、何かあったらすぐ言えよ」
「うん…!」
俺は美知琉にキスした。
大丈夫って安心させる為に。
そろそろ家を出ても良い時間。
今日から俺は美知琉。
美知琉は俺になるんだ。
「学校行こう?…郁」
「…そだね。…み 美知琉」
手を互いに取り合って家を出る。
俺は自分の名前を、美知琉も自分の名前を言って過ごさなきゃならないけど
これが俺達にできることだから少しづつやっていこう。
俺達の生活は、まだ
始まったばかり―…。
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