あたし彼氏。オレ彼女。
可愛い顔して意地悪な郁。
でも大好き。
「…郁はさ、あたしのことちゃんと好き?」
「んー?」
たまに聞きたくなる。
ホントに好きで付き合ってくれてるのか不安になる。
あたしから告白したし。
無理して付き合わしてるんじゃないかって。
でも決まって返ってくるいつも同じ返事。
「好きだよ。超好き。絶対離してやんないもん」
「うん。あたしも大好き」
“好き”
その言葉だけであたしは癒される。満たされる。
あたしは郁とじゃれあいながら歩道橋の階段を下りようとした。
その時だった。
滑りやすいことを油断して踏んだ階段は見事に凍ってた。
「ひゃっ!!」
「美知琉っ!!」
あたしは郁に腕を掴まれたけど間に合わなくて一緒に転がり落ちた。
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