Happy Days
俺が付き合ってた相手は…」

あつしが緊張しているのが伝わった

いつも大人で私を引っ張ってくれてるあつしが少しだけ小さく見えた

「俺が付き合ってた相手は…さやか…なんだ」

「そう…なんだ…なんかビックリしちゃって…」

あつしが言った名前はあまりにも衝撃的ですぐに受け入れることができなかった



あつしがさやかさんと付き合ってた…


ショックで何も考えられなかった

それでも一生懸命思考回路を働かせる

今日の昼間あつしとさやかさんを見た時に感じた空気



私が入り込めないと思ったのは当然だったんだ

「だから…同じ指輪をしてるの?」

「気付いてたのか?」

「うん。でも仲良しなイトコだなくらいにしか思ってなかった…。今でも好きだから指輪してるの?」

「違う!!それは絶対にないから!」

「じゃあ何で??」

「約束だから…。」


約束…
さやかさんとの約束…

「もしかして…初めてデートした日にコソコソしてたのは指輪を薬指から小指に付け替えてたからなの?」


「うん…」

「…私をからかってたの?…それとも暇つぶし?…」


「本当に違うんだ!」

「だって本当に好きなら私の前で堂々と指輪なんかつけられないよ!
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