Happy Days
認めたくない現実
10分たっても20分たってもあつしはこなかった



その時突然あつしの家の電話が鳴った


プルルルル

プルルルル



「はい。」

下で女の人が電話に出る声がした



イヤな予感がした

午前2時過ぎ

こんな時間に電話なんて普通ならありえない


ケータイとかになら友達から連絡は来ても家に電話が来るような時間じゃない…


数分後家の中が慌ただしくなった

遠くかすかに聞こえる声

女の人が泣きながら何かを必死に叫んでた


「あ…つし…うっ…う…」


「どうしたんだ?」

男の人の声も加わった


「うっ…う…あつしが事故にあって…」


その後の男の人と女の人の会話はよく覚えていない


えっ…?
あつしが…事故?

どういうこと?


私はどうすることも出来ずにただただ涙を流していた

コンッコンッ

部屋をノックする音がした


ドアの向こうにいたのは優しい目元があつしとそっくりの人


すぐにあつしのお父さんだと分かった


「君があみちゃんだね?」


弱々しい声で問いかけてきた


私も弱々しい声で答えた

「はい…あの…話し声聞こえたんですけど…本当なん…ですか?」


お父さんは黙って頷いた
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