Happy Days
「はい…」

「それでもあの子への…あつしへの気持ちに変わりはないかい?」


「ありません」


「ありがとう…ありがとう…ありがとう」

お父さんはずっと「ありがとう」と言いながら泣き続けた

この時の私にはお父さんの言う「ありがとう」の意味が分からなかった


私が「ありがとう」の意味を知るのは約1ヶ月後のこと



お母さんは何も言わずにただ私を鋭い目で見ていた


数分後、ナミとユウタ君に連れられて私は家に帰った


ナミが連絡しておいてくれたらしくて、家につくと玄関の前には私のお母さんが心配そうに待っていた

お母さんは私を抱きしめながら頭をなでてくれた

自分の部屋に戻りケータイを見る

着信履歴は、ほとんどがあつしで埋まっていた



リダイヤルの一番新しい履歴…


あつしと最後に話した履歴…


この履歴があつしとの最後だなんて信じられないよ

信じたくないよ…



私は信じたくなくてリダイヤルからあつしに電話をかけた


あつしが「もしもし!」って言ってくれるような気がして…


でも聞こえるのはあつしの声じゃない


「電波の届かない場所にいるか電源が入っていないためかかりません」
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