Happy Days
「白い方には、あつしが左手の薬指にしてた指輪、もう一つのピンクの方には少しだけどあつしの骨を瓶に入れておいたわ」

「骨…私がもらってもいいんですか?」

「あなただからもらってほしいの」

「あり…がとうご…ざいます」

私の目からは、涙が溢れていた

あつしのお母さんが私を認めてくれた事が嬉しかったから…

「箱の中に入ってるケータイは、あつしが使っていたものよ。あなたとの思い出がたくさん詰まってるケータイだからあなたが持ってるのが一番だと思うの」

お母さんとそんな会話をしていると会話にお父さんが入ってきた

「あの子に…あつしに出会ってあつしを幸せにしてくれてありがとう。あつしは君に出会ってからずいぶんかわったんだ。あの子はさやかと別れた後、私とも妻ともあまり会話をしなくなった。ところが、ある時を境に急に明るくなって積極的に話してくれるようになった。あつしとの会話にはよく[あみ]という名前が出てきたよ。病院で君にありがとうと言ったことを覚えてるかい?」

病院のベンチでお父さんがありがとうと何度も何度も言っていたことを思い出した

「はい!覚えてます」
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