Happy Days
「あれは、あつしと出会ってくれてありがとうという意味だったんだよ。」



「お礼を言わなきゃいけないのは私の方なんです。あつしを産んでくれてありがとうございました。私もあつしに出会ってなかったら知らなかったことがたくさんありました。あつしに出会えて幸せでした。」



深々とお辞儀をして顔をあげるとお父さんもお母さんも泣いていた



それから少し話をした後
私はあつしの家を出た


家についてからもう一度箱の中身を見直す


短冊に書いた願いはもう叶えられない願いになってしまった

七夕の日に書いた2人の願いはそんなに欲張りな願いだったのかな?…


ただ側に居たかっただけなのに…

ただそれだけだったのに…


そしてあつしのケータイの電源を入れた


300件ほどのメモリーの中でひときわ目を引く名前…


あみ


「恋人の名前だけに絵文字のハートマーク付けるなんて女の子みたい…」
そう独り言を呟きながらまた泣いた


メールの受信フォルダも送信フォルダもほとんど私とのメールで埋まっていた

何気なく未送信フォルダに一件だけ保存されていたメールに目を通す

宛先は私になっていた
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