Devil's Kiss
PROLOGUE
無駄に広いこの部屋も、こんな時には狭すぎる気がする。
肩で息をしながら床にへたりこんで、近づいてきた影の主を睨みあげる。
『本当面白ぇな、お前』
目の前にしゃがみこんだ奴が意地悪い笑みで覗き込んでくる。
『戦利品、もらいたいんだけど?』
綺麗に弧を描いた唇が囁く。
“ゲームセット”
引き寄せられ、押しあてられたそれを受け止め、すっかり慣れた舌の熱さを感じながら思う。
なんで、こんな目にー…