君の中で僕は眠る
色の無い世界
霧雨
僕は無地の白い服を着ている。
僕の手には何もない。
それは寂しいから
目の前で細やかな光を放つ砂をすくいとる。
一本ずつ指を開くと、
そこにある砂は
手の平を滑る様に消えていく。
行き場のない手の腹に
わずかに残った砂を
僕はゆっくり吸い込んだ。
口内のじゃりじゃり感と
喉に張り付く砂の不快感にむせ返る。
こうなるとわかっていたのに
僕はやってしまうんだ。
安易に予想できる未来を
経験することでしか僕は前に進めない。
そう、僕は欲張りなんだ。