i‐ LOVE
金曜の夜というには少しだけ早い時間。
夜の風が心地よく木々を揺らす。
人気がまばらな公園のベンチ。
白い綿のシャツを上から二つボタンを外し、黒の細身のジーンズを履いた端正な顔立ちの青年と、派手な化粧の割には地味な紺のツーピース姿の女性が座っていた。
青年と言うには幼く、色白のボーイッシュな女性といっても過言ではない彼に、隣に座る熟女の組み合わせは随分とアンバランスに見えた。
青年は腕の時計をチラリと見る。
その年に見合わない、彼の腕の青い石の入った高級時計は8時5分前を指していた。
今日のデートの待ち合わせは18時。
和懐石の食事を楽しみ、この公園に来た。
女性は彼の顔を見る。
「もう終わり?」
淋しそうな顔をする彼女に彼はにこやかに微笑む。
「まだ5分ありますよ、カナコさん」
女性は更に淋しそうな顔をして彼に自分の要望を伝える。
「今日は延長できる?」
彼は少し考える素振りをする。
この後の仕事は入ってないが、本業の大学に提出するレポート書きに連日追われていた為に疲れが出ていた。
「…ごめんなさい、この後予定があって」
夜の風が心地よく木々を揺らす。
人気がまばらな公園のベンチ。
白い綿のシャツを上から二つボタンを外し、黒の細身のジーンズを履いた端正な顔立ちの青年と、派手な化粧の割には地味な紺のツーピース姿の女性が座っていた。
青年と言うには幼く、色白のボーイッシュな女性といっても過言ではない彼に、隣に座る熟女の組み合わせは随分とアンバランスに見えた。
青年は腕の時計をチラリと見る。
その年に見合わない、彼の腕の青い石の入った高級時計は8時5分前を指していた。
今日のデートの待ち合わせは18時。
和懐石の食事を楽しみ、この公園に来た。
女性は彼の顔を見る。
「もう終わり?」
淋しそうな顔をする彼女に彼はにこやかに微笑む。
「まだ5分ありますよ、カナコさん」
女性は更に淋しそうな顔をして彼に自分の要望を伝える。
「今日は延長できる?」
彼は少し考える素振りをする。
この後の仕事は入ってないが、本業の大学に提出するレポート書きに連日追われていた為に疲れが出ていた。
「…ごめんなさい、この後予定があって」