みかん白書~描きかけの私の描きかけの恋~



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翌日。ヤッパリお昼前のこと、帰ってきたハムスターのミルクと遊んどったウチのもとに、各務くんから電話がかかってきた。

せやけどウチには彼の言葉が信じられへんやった。

だって彼…、

「一葉はいま霊安室にいる」

…なんて言うさかい。

昨日、病院の先生が「数日中には一般病棟に移れる」って言うてはったから“霊安室”やのうて“一般病棟にいる”のまちがいちゃうかと思ったくらいに信じられへんやった。


彼のハナシによれば、昨夜は意識も戻って彼や父親とも面会してフツーに話をすることもできたらしいんやけど、今朝、担当の看護師さんが一葉の様子を見に行ったら、彼女の体は冷たくなっとったそうで、たぶん今朝未明に容態が急変して他界してもうたんやろうちゅうことやった。


“なんでっ!?”


ウチの頭の中には今“なんで”という言葉が嵐のように轟々と音を立てて渦巻いとった。
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