みかん白書～描きかけの私の描きかけの恋～

ウチも笑顔と冗談で応える。

自分で言うのもなんやけど、ハッキリいってウチは“クールなオンナ”や。

そんなウチがこないふざけたことを言う相手は、学校の中でも一葉ひとりだけや。


小６んとき、福岡県にあるコノ街に越してきたウチにとって、一葉ははじめてできた友達やった。

いや、一葉さえいれば、もうほかに友達なんておらんでええとさえ思う。

それくらい仲がよかったってコト。


ホンマはもう友達なんて作らへんつもりやったさかい、そーいう意味で一葉は予定外の友達や。


ウチの父は西日本を中心に展開している大手ドラッグストア・チェーン店“サンフラワー”の雇われ店長や。

そのため、新しい店舗が出店する度に、そこの立ち上げメンバーとして赴任せなアカンて、その結果、ウチら家族もたびたび引っ越しを余儀なくされてた。

ウチの生まれ故郷である京都をスタート地点として、これまで広島、高知、愛媛、山口と転々と転校を続け、いま九州の福岡県で、この春からちょうど２年目の生活を向かえていたところやった。