みかん白書~描きかけの私の描きかけの恋~

「ホンマ上手いわぁ……ウチ、自分と同じ年くらいのヒトで、こない絵が上手いヒトに会うたことあらへん」


そのときウチは、なんで彼がこないに絵が上手いんか、自分なりにムクムクと妄想を膨らませてみた。

たぶん彼は以前、何かの事故にあって左足を失うような大ケガをして、病院に長期入院してはったんやと思う。

外に出られへん彼にできるんは病室でマンガを読んだり、窓の外を見ることだけやったんやろうさかい、自分が読んだマンガを真似して描いたり、あと病室の窓から見える外の景色を絵に描いたりしてはるうちに、他の子らよりズバ抜けて、絵が上手うなったんやと思うんや。

ほんで長期の入院生活で、太陽の光を浴びずに生きてきたせいで、女の子並みに透き通る白い肌を持つ男の子にならはったんや。

ま、コレ全部、ウチの妄想やけど……。


「なんか二人っていい友達になれそうやん? …ってか付き合ったらいいやん?」

不意に言った一葉の発言に、ウチも各務くんも…、

「えっ…!?」×2

…って声を上げたんやけど、その「えっ…!?」がまったく同じタイミングやったさかい、見事に声がハモッてしもうた。
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