みかん白書~描きかけの私の描きかけの恋~

「ヒュー、ヒュー、お二人さん、息もピッタリやん~♪」

一葉にからかわれて、頬を赤らめるウチたち。

とくに女の子より肌の白い各務くんの頬は、ウチなんかより数段真っ赤になっているように見えた。


これが今からちょうと1年前の小6の4月、ウチと一葉と各務くんとの出逢いやった。



ソレ以来、ウチはこの双子の各務兄妹に興味津々の毎日をおくった。

顔は同じやのに、カラダは男と女で違う二人が、この世に存在してはるという現実が、マンガ好きのウチの想像力と空想力と、そして妄想力をいやがうえにもかきたてた。


(A)本来、男として生まれてくるはずだった一葉が女のカラダで生まれてきたのか?

(B)女として生まれてくるはずだった各務くんが男のカラダで生まれてきたのか?


そないふうに考えたとき、たぶん正解は(A)やと思う。


念のため言うとくと、各務くんはたしかに美人やけど、別にナヨナヨしてるとか、まちがってもオネェキャラなんかやない。

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