みかん白書～描きかけの私の描きかけの恋～

…などの声がして、ざわつくクラスのみんな。


ウチもそう思う。そうかて、このクラスでウチ以上に絵が上手いヒトなんて誰もおらんさかい。


「はい、はい、静かに」

先生が手を叩くと、生徒たちはシンと静まり返った。

「最優秀賞を受賞したのは……」

先生がそこまで言うと、ウチは思わずゴクリとツバを飲み込んだ。



「……各務一葉さんの作品です」



「…っ!!」

先生の以外な発言に、ウチは思わず声を上げそうになった。


「う、ウソやろ……」

「なんで各務なん……？」

…などの声がして、どよめくクラスのみんな。


「各務さん。賞状が届いていますから、前に取りに来てください」