みかん白書~描きかけの私の描きかけの恋~
先生の今の発言にカチンときたウチは、意を決して爆弾発言をした。
「じゃあ、ハッキリ言います! その絵はニセモン……贋作です!」
「ええっ」
一斉にどよめくクラスのみんな。
「よ、美佳っ…!」
そして愕然としたように一葉が言う。
「先生、各務さんがこれまで描いてきた絵と今回の絵を見比べてみてください。これまでの絵と全然ちゃういうことがすぐに分かるはずですから」
「そうね。これまでの各務さんの絵と比べれば、今回の絵は格段に上達していると思うわ。だからこそ、あたしは各務さんの絵を推薦したの」
「そうじゃなくて! あれは、もともとウチが描いた絵なんです! もォ、なんで分からへんのですか!?」
ウチはひとりでイラ立っとった。
「“なんで分からない”ですって!」