みかん白書~描きかけの私の描きかけの恋~


「ウエ~ン!!」

ウチの発言に、さらに激しく泣き出す妹。

「おい、美佳。小っさい子供を脅かすようなこと言うもんやあらへん」

父が“よしよし”と妹をあやしながら言う。


“年下やからしゃあない”と言えばそれまでやけど、どんな理不尽な場合でも100%妹の味方になる父にはムカつく。


「そうかてホンマのことやん!? 文も、ミルクのこと、かわいそうや思うなら、そないなとこでいつまでも泣いてへんと、もう1回友達ンちに探しに行ったらどうなん? …ってか今スグ行きぃや!」

「えーっ…」

「ちゃんとミルクを見つけてくるまで、お姉ちゃん、文を許さへんし、ミルクを見つけるまで、文にはゴハンなんか作ってやらんさかい! ミルクがどれだけおなかをすかせとるか、ミルクの立場になって、ホンマよぉ考えてみることや!」

「そんなぁーっ」

すがるような目でウチを見る妹。

「お前、なにもそこまで…」

「お父はんは黙ってて!」

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