みかん白書~描きかけの私の描きかけの恋~
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そして、それから4時間が経って、ようやく妹から電話がかかってきたんや。


「もしもしっ!?」


その声は、全然“よそいき”のソレやなかった。

ウチかて誰からの電話か分かんやったら、声をつくって、よそいきの声で出るんやけど、そのときウチはその電話が妹からのものやと確信してたさかい。



「あ…もしもし、よっちゃん…?」



「…っ!!!」



電話の向こうから聞こえきた声に、ウチの心臓は止まりそうになった。

その声は妹のものとちゃう。

男の子の声やった。

ほんで向こうから名乗らなんでも、ウチには誰の声かすぐに分かってもうた。



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