みかん白書~描きかけの私の描きかけの恋~
“なんなら水着も捨ててフルチンで泳いでもええかな♪”なんて妄想をいだくことさえときにはあるけど、さすがにそらヤバイと自制心がブレーキをかける。
とにもかくにもや。
ココで泳いでるときだけは、世の中からも、いろんなことからも解放されて、完全に自分一人になることがでける。
オツムの中がモヤモヤしたはる今日みたいなときには、ムショウに泳ぎたくなる。
ややこしい理屈は分からんけど、たぶんニンゲンゆういう生きモンには、雑踏から離れて、一人静かに過ごす時間ゆうのが必要なんやないかって、漠然とやけど思うてる。
しばらくして……、
やはりフリーで泳いでいる他のヒトたちの邪魔にならんよう、プールの端っこまで移動して“ふぅ…”とため息をつくウチがいた。
“さすがに25メートル10本(※計250メートル)は疲れるわぁ……”
そないなことを思いながら、大きな壁掛け時計に、ふと目をやった。
10時32分。