みかん白書~描きかけの私の描きかけの恋~
30分なら覚悟を決めて諦めて、じっと待つこともできるんやけど、10分なんて逆に短かすぎて待てへんし。
いても立ってもいられへんかったウチは次のバス停目指して走りはじめた。
じっとバス停で待ってるよりは、少しでも前に進んでいたかったし、もしかしたら次のバス停に着いた頃、バスがあとから追いついてくるかもしれへん、って思ったからや。
ほんでも、次のバス停に到着しても、まだバスは見えんと、さらに次のバス停まで走っていってもやっぱりバスは見えんやった。
かといって、立ち止まってとることなんてできひんで、さらに次のバス停目指して走り続けるウチ。
ちょうどお昼頃の、太陽が一番高いところに昇ってはる時間帯に走り続けているせいもあって、全身を滝のような汗が流れる。
特に背中を伝って流れる汗のめっちゃ気持ちの悪いこと。
おまけにホンマはバスで病院まで行くつもりでミュールを履いてきたもんやさかい、走りにくうて、走っとる途中で何度もミュールがつま先からすっぽ抜けては片足ケンケンで拾いに行くいう醜態をさらしとったし。
いっそのこと、ミュールを脱いで手に持って、裸足で走ればええのかもしれへんけど。