かみさまの椅子
「だから!俺は男だって言ってんだろ!!!」
「あぁ!?どう見たって女だろぅが!」
「そうだぜ~、俺らと楽しい事して遊ぼうぜ」
掴まれている腕を必死に振りほどこうとするもがっちりと握り絞められているアルタ。
「可愛い子が一人じゃつまんねぇだろ」
「ウルセェ!!離せよ!!!」
「気が強い所もいいね~」
回りにいる柄の悪い男達はアルタを女の子と勘違いしている、アルタが必死に男と言っても信じずにいるのだ。
確かに背は低くクリクリの目に華奢な体、何も知らなかったら口の悪い可愛い少女に見えるだろう。
「たくよーノリがワリィよ、折角シュヴァルツバルトの連中探しまくってその間の自由な時間によー」
「はっ?」
まさかアルタは自分の居る空賊団の名前が出るとは思って居なかったので思わず聞き返してしまった。
「嬢ちゃんも知ってるか?あの極悪空賊シュヴァルツバルトの」
「ちょっと!!その手離しなさいよ!!!!!」
男が言おうとしたその時、頭上に黒い影が現れ正体を見る間も無く男は飛び蹴りを食らっていた。