かみさまの椅子
「おい、見たか今の」
「ああ」
転がる男をそのままに、仲間達は走り去って行くリオン達の背を呆然と見つめ暫くし一人がはっと我に帰る。
「シュヴァルツバルトの白獅子のリオンじゃねぇかよ!」
「はっ?髪が茶髪だったじゃねぇか」
「いいからバッファ団長に知らせに行け!!ついでに女も一緒にいたって事もな!」
「了解」
伝令に走って行くのを見て男は自然と口角が上がる。
「シュヴァルツバルトに女か…………おもしれぇ」
「いっきし!」
「くしゃみならもっと可愛くやれよ」
リオンと青空は未だに繋いだままでショッピングモールから離れた場所に来ていた、丁度くしゃみをした青空に釣られ担がれたままのアルタも鼻をムズムズさせていた。
「くしゅん」
「ほらこんな」
「うっさいな」
どうせ可愛くないよ私はとぶつくさ言いながらリオンの手を払って少し離れた。