かみさまの椅子
「何で逃げんのよ」

「うるせぇ、面倒はおこすなって言っただろうが、なのに一人で突っ込んで行きやがって」


はぁとわざとらしく溜め息を吐いて担いでたアルタを降ろす。

「大丈夫だったか?」

「何で」

「ん?」


「何で助けたんだよ!」


あれほど嫌っていて女女と馬鹿にしていた青空に助けられたのが屈辱的で悔しくアルタはやけになって拳を振り上げ殴ろうとしていた。



パシッ



「あのね、家族なら助けるのは当たり前でしょうが」


アルタの拳を軽々と受け止める。

それが悔しくてアルタはわなわなと肩を震わす。

「誰も……………誰も頼んでねぇよ!!」


「わっ」

思い切り青空を突き飛ばし、その拍子に掴んでいた拳が手から離れアルタは走り出して二人から離れて行ってしまった。


「何よもー、反抗期なの?」

「……違うだろ」
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