かみさまの椅子
「…………誰あれ」
荷物を拾い上げ叫んでいる人物に目を向ける。
そこにはドレッドヘアーを結い上げ左頬に傷跡が縦に走っている男が居た。
なぜか勝ち誇った顔をして。
「めんどくせぇ」
チラッと見ただけでリオンは反対の方向を向いて溜め息混じりにぼやく。
「この傷のお礼がまだなんだよなぁ!今日はお礼にてめぇの綺麗な顔ズタボロにしてやるよ!!」
そう叫びながら顔の傷跡を指先で撫でる、周りに居る手下達がそれぞれ武器を手に殺気立っているがリオンは未だにベンチに座ったままで、全然やる気を見せずお互いの温度差が違いすぎているのが端から見ている青空でも解った。
「知らねーよ、だいたいその傷跡だってお前が俺に殴られて勝手に白眼剥いて倒れた時に床に転がってた刃物で付けた奴じゃねぇかよ、お前が鈍くさかっただけだろ」
「なっ!!!」
その言葉にカチンときた男は見る見るうちに顔を赤くしていく。
「殺せ………あいつをぶち殺せ!!!」
それを合図に一斉に青空とベンチに座ったままのリオンに襲いかかる。