かみさまの椅子
ダンッ!
「「ぬおぁぁぁーーーーー!!!!」」
「うるせぇぇぇーーー!!!」
飛行場にて、陽気な昼下がりシュヴァルツバルトのクルー達が喋っていたら突如謎の叫び声が上がった。
「叫ぶんじゃねぇよ、ボルトが1つ落ちたじゃねぇか」
脚立に跨り機体の点検整備をしていたハイドが青筋をひくつかせながら高さ5メートルぐらいから飛び降りる。
「は………ハイドこれ」
「あぁ?」
クルーに呼ばれ振り向くとそこには機体に突き刺さる弓矢、その矢羽根の所には紙が縛ってあった。
それを見たハイドの顔が一瞬で鬼の表情になった。
「………どこのどいつや、俺の整備しとる船にこんなしょぼい矢打ち込んだ野郎は」
ボキン!と矢を折りその矢をポイッと捨て突き刺さる刃の部分に脇からナイフを入れて抜こうとしていた。
「やべーハイド滅茶苦茶キレてるぜ」
「ああ、アイツキレたら方言出るからな」
背後でこそこそとハイドのキレ具合に触らぬ神に祟りなしと言わんばかりに離れていくクルー達
「たっだいまー!あれどうしたんだよみんな」
タイミングが悪いのか良いのか、ちょうど買い出しに出ていたフィードとガルドが大量の食料と共に帰ってきていた。
「フィード今は」
クルーが言い終わる前にフィードに気がついたハイドがぐるりと顔を向けた。
「あれっどうしたんすかって、なななななんっすか!!」
ガンッ!!
怒りの矛先が何の罪も無いフィードに向けられた、いわゆる八つ当たりである。
「いでぇ……………」