かみさまの椅子
「よっ」
舞台に向かい雛壇状になっている客席、連なる座席の背もたれに足をかけ青空は高々とジャンプする、次の列の座席を飛び越え背もたれに器用に着地しそのままポンポンポーンと軽々次へ次へとジャンプし、移動しずらい客席を猿のように動いていた。
大勢では動きづらい客席は一人狙われた青空に逆に有利な方に働き大勢で集まってきていたバッファ一味は無残にも仲間が邪魔でどんどん青空から引き離されていた。
「とうちゃーく」
ガルド達が待つ場所まで来て、最後くるり軽やかに宙返りし体操選手さながらに両手をピシッと上げ綺麗に着地した。
「ただいまー
ズガン
………いったーい!何すんのよ~~」
爽やかに笑顔で言う青空の後ろから丁度到着したリオンに青空はげんこつを頂き脳天を両手で押さえ 涙目で背後にいるリオンを睨み上げる、しかしリオンのこめかみに浮かぶ青筋に逆に怯んでしまい口の隅が引きつるのが自分でも解っていた。