かみさまの椅子


「お前自分のした事理解出来てんのか?」


静かに落ち着いた声だけど逆にそれが怖い、冗談抜きの説教タイムに青空は向かい合っているリオンの顔が見れず自然と目線が下に行き俯いた状態になる。



「すんません」


「あれほど来んなって言ったのに、はぁ落ちたらどうなってたと思う、奴らに見つかってたらどうなってたと思う…………怪我だけじゃ済まないんだぞいいかバカな事すんなマジで」

「なによー私の活躍でアルタが助かったんじゃないのよ」


「お前はぁ~、全く理解してねぇじゃねぇか」


生意気にも反論してきた青空にさらに怒りの炎が増す。


「おい、場所移動するぞ奴らがまだ居るの忘れた訳じゃねぇよな」


ハイドに言われ二人はまだ古代劇場にいる事を思い出す


「いいか説教はまた後だからな」

「え~もういいよ、お腹一杯」


「やかましい」


すぐそこまで迫っているバッファ一味を気にする事無く青空達は歩きだした。


「おーいアルタ行くぞ」

降ろされたアルタは一歩も動こうとはせず俯いたままその場に立ち尽くす。


「………かない」


「はっ?おいアルタ早くしろ」


もうバッファ一味は背後に迫っている、リオン達も先程の余裕は消え険しい表情になる。


「船には行かない!」


「「「アルタ!!」」」


顔を上げ叫ぶアルタの目には涙が流れ、敵の剣が振り下ろされた。


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