かみさまの椅子
カランと握っていた剣が落ち、掴まれた足は離され支えが無くなった青空は地面にドスンと落ち直ぐに立ち上がって距離を取る。
ふっと息を吐いて呼吸を正す。
「ふざけんな」
地を這うような声で呟きゆらりとバッファが起き上がる
「ゴキブリ並だな」
苦笑いを浮かべる青空
回復が異常に速いのは何度もリオンにやられてその度に鍛えられたからかもうすでに剣を握りニヤリと笑う。
何が可笑しいのか怪訝そうに眉を寄せる 青空、しかし瞬時にバッファの笑う理由が理解出来た。
「仲間の血が見たいか?」
バッファの攻撃ばかりに気が取られ背後にいたアルタはすでに遠く、最悪な事にバッファの近くにいた。
「はははしっかり見てな仲間が血まみれになる所を」
笑いながら振り上げられる剣が夕陽を反射し赤く輝く、まるでもう血塗られているかのように。
「止めろっ!!!」
振り下ろされた剣、走り出す青空。
「何だよこれ」
石舞台にたどり着いたリオンはそう呟く、青空の首からぶら下がるアクセサリーに見える神の椅子が青空の叫びに答える様に光り出した。
夕陽は遠くに沈み空を濃紺に染め、劇が始まり幕が上がる様に月が空に上がり石舞台を照らした。