かみさまの椅子
ガルドが言うには、青空がこの飛空挺に乗り早数日が経った。

最初は飛空挺内を探索したりと時間を持て余す事は無かった、がそれもだいたい回りに回ったらやることも無くなり何か手伝いたいとガルドに相談した所、じゃあ自分の所で手伝ってと言う事になったのだ。


「ふーん」



納得しながら頷き、ふと渡されたどんぶりを受け取りその空いた青空の手を見る。


「ボロボロじゃねぇかよ」

リオンが言うとおり青空の手はあちこち絆創膏だらけだった。


「なかなかこんな大人数の食事を準備したこと無いから焦っちゃって時間もなかったし」


あははははと笑いながらその傷だらけの手を降る

「………あんま無理すんな」

「…ありがとう」

「このトマトソースがお前の血に見えてきて食欲失せてきた」

「だったら食うな」


相変わらず憎まれ口は健在でリオンは楽しそうに笑いながらコツンと青空の脇に小さな緑の綺麗な小瓶を置いた。

「後で使いな、傷口に塗れば痛み止め効果の傷薬になるから」

「…………」


小瓶を両手で包んで しばらく見つめる青空。

「ソラ!ぼさっとすんな並んでんぞ!」

「あぁ!ハイハイ!」

リオンとのやりとりに気を取られすっかり強面のお兄さん方が腹を空かせて長蛇の列を作っていた。


リオンに礼を言う暇も無く青空は目の前の仕事をこなしていった。



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