かみさまの椅子
「なんで俺が」
「抜けきれないのは未練が少しでもあるからじゃないの?」
自分よりも年下の青空に言われるとなんだか認めたくない気持ちになってしまうのは年上と言う下らないプライドがあるからだろうか。
「故郷が嫌いでもそれもハイドって人間を形作ってる1つなんだから、向き合ってからでいいと思うけど方言直すのは」
「偉そうに言うなやボケ」
「言ってるそばから出てますよー」
要も済んだしさぁ戻ろうとした青空。
「ソラ」
「ん?」
「飯ありがとう」
「いえいえー」
ひらひら手を振り出て行く青空を見送りご飯に箸をつけていくハイド。
…………あいつ変に首突っ込んで来るけど、アッサリ手を引いとんねんな
自然と故郷の方言で思考を巡らすハイド。
恐らく青空以外に言われたら問答無用で鉄拳が飛んでいただろうが、青空に言われると本当にどうでもいいと言うのは可笑しいが変に空気が重くならないのが不思議だった、余計な感情が無いと言うか、好奇心とか同情が感じられないのだ
「変な女」