かみさまの椅子


「なんだこれ?」

それが全員に行き渡り、何が入っているか解らないまま銀紙を開いていく。


リオンは初めて見るそれに目を丸くする。


「あぁお弁当なら手軽なのが良いと思って、かさばらないし食べれば荷物なくなりしね」

とニコニコと青空はそれを口にする。

リオン達は初めて見るそれ、黒い物が巻かれ、白い米粒が ぎゅっと握られ形は三角形。

「これね、おにぎりって言うの」

ニコニコ言う青空の口元には米粒が二粒ついていた。


「ついてんぞ」

「おぉありがとう」

横にいるリオンが腕を伸ばし青空の口元の米粒をとっていた。


青空のあっさり過ぎる反応、周りのみんなは若干ピンク色の空気と二人のテンションの低さに違和感を感じた。


「おにぎりってね私の国の手軽なお弁当の1つなのよ」

「おい中に何か入ってるぞ」

仲間の一人がおにぎりを口にし中の具を見たとたんに何故か顔を青くした。


「ああおにぎりは中に具を入れて塩振って海苔を蒔くのよ、具は適当に米に合いそうな具を入れてみた」


と呑気に言う青空を尻目に仲間のみんなは声を潜める。

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