かみさまの椅子


今更この変わった少女が古代文字を解読出来る事に驚く事は無かった。

青空が読み上げた言葉を聞き思わずリオンは聞き返す

「龍?」

「そう書いてある、他は欠けたりして読めない」


青空はリオンを見上げ目を細める

「キャプテン!あっちに何かありますよ!」

「あぁ今行く」


仲間に呼ばれ龍かと呟きながら考える素振りを見せて振り返り一、二歩足を踏み出した時。


「えっ!?」


青空の驚いた声がしすぐ振り返る


石碑の文字と青空が身に付けている首飾りの椅子が光っていた。


「何これ」

食い入る様に石碑を見つめ青空はその場から動こうとしない。
不信に思い青空に近づくが次の瞬間に


ガコン




「えっ?えっ!?」

妙な音と共に青空の姿が消えた


「ソラ!!」



すぐに手を伸ばすが青空の足元の石畳がぱっくりと口を開けその暗闇の中に落ちていく



「ちっ」




伸ばした手は青空の手を掴んだが引き上げる事が出来ずにリオンも穴の中に落ちていった。



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