かみさまの椅子
「いた~」
「…………早く退け」
「うわぁ!」
下からのドスの利いた声に青空は慌てて飛び退き下敷きになっていたボロボロのリオンがむくり起きる。
穴から落ちた青空を庇いリオンはボロボロになったが青空は奇跡の無傷で助かったのだ。
「暗いな」
上を見上げれば落ちてきた穴は塞がり灯りは恐らく地面の亀裂から差し込む光だけ、側にいるお互いの気配だけで二人は存在を確認していた。
「りりリオンさーん」
「なんだよ」
「ちゃちゃんと居ますかー」
いくらリオンが居ると理解しても、突然穴に落ちて辺りは真っ暗、居場所も分からない、不安を持った青空はどもりながら手を左右上下に振るが空を斬るばかりだった。