かみさまの椅子


「落ち着け」

「ひっ」

暗闇の中突然リオンに手を掴まれびくりと肩が跳ねる青空、しかしがっちりと掴まれた手にぬるりとした感触がし違和感を覚え眉間に皺が寄る。


「リオンまさか」

「明かりつけるぞ」

「えっ?……あぁうん」

嫌な予感がし声を掛けるがリオンに先に話され思わず返事を返す。


カチャカチャと物音をさせ暫くしボッと言う音と共にオレンジ色の明かりが二人の周りを照らす。


「わっわっわっわ」

思いのほかリオンとの距離が近く慌てて離れるが。



パキン!



「ひいぃぃいー!!」


足元で自ら折った小枝の音にびびりまたリオン側に逆戻りしてしがみつく。

「お前は何がしたいんだ」


「暗闇が怖いんだよ!」


呆れた様に言うリオンに馬鹿にされるのが嫌なのか精一杯堂々と言う青空だがリオンはため息をついて返事を返した。


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