かみさまの椅子
呼びかけるが振り向きもせず前を見つめるリオン、しょうがないので気にせず話を続ける事にする
「何で助けるの?」
今までのふざけた声音では無く真剣な問い掛け
「…………女は守られんのが当たり前だろが」
「こんな時ばっか女扱いしないでよ、自分の身は自分で守ぐらいはしたい、誰かに怪我されてまで守られても嬉しくないし」
「……………」
落ち込んでいるのかさっきまでの元気がしぼんで沈んだ声が聞こえリオンは戸惑う。
浮いたり沈んだりよく言えば感情豊かだが悪く言えば気分屋と言うか、リオンとしてはせっかく傷だらけになって助けたのだからありがとうの一つでも言ってもらえればそれでいいが。
落ち込まれると困る
普通の女はひ弱なイメージしか無い、しかし青空は違う
自分の身を守るぐらいの腕はあるからか、他人に守られ尚且つ怪我を負わせた事に不甲斐なく感じるのだろう。
「反射的に勝手にやったんだ、お前が気にする事じゃない」
怪我した方の腕を上げ落ち込んでいる青空の頭を乱雑にがしがし撫でる、痛いが顔には出さない、顔に出すと余計青空が落ち込むから。