かみさまの椅子


ドォン!!

一際大きな砲撃音に激しい揺れ、巻き上がる突風に男も歩くのを止めてその場に立ち止まる。

『リオン』

「何だ?」


男の耳にしていたピアスに付いていた銀細工の飾りが光りそこから少女にも微かに声が聞こえた。


『横付けされるからよろしく』

「よろしくじゃねぇよ、引き離せ」

『無理』


キッパリと断言し、声からしてさっきのハイドとか言う男だろうと予想する。

『ほら来た』




ダンダンダンダンダンダンダンダン!!



「何これ!!」


気がつけばこの船のすぐそこに砲撃してきたごつい飛行機が横付けされていて、そこから数えきれない程の人が乗込んできて、あっと言う間に交戦状態になる。
ピリピリした緊張感から一瞬で戦場の喧しさに変る

「この船は俺らが頂く!!!」


男と少女の目の前にも乗込んできた敵がナイフをちらつかせて現れ、高らかに宣言したかと思えばギラついた目で襲ってきた。


「ひぃぃー!!」


あちこちで叫び声やキンッと金属のぶつかりあう音、人が倒れたりと今まさにナイフが迫っている少女には悲惨な状態に足が竦んで全身が震えていた。


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