かみさまの椅子
「最後のセリフはガキの言う事じゃねぇだろ」
「それから地獄の特訓が始まって、特訓のおかげで私は自分の身は自分で守ようにしてたんだけどねぇ」
リオンのセリフは軽く流す青空。
薄暗く二人だけしかいないせいか昔話をなんの抵抗もなく話せる事に不思議に感じる青空、話した相手がリオンだからかこんなにスラスラ話せたのだろう、青空の家の噂も向こうの世界の事も知らないリオン。
こちらに来てから何度も助けてもらった感謝してもしきれない、変なプライドが邪魔して感謝の言葉が出ない、謝罪の言葉はでるのに。
「私なんか助けてもらう価値は無いんだけどね」
ポツリと零した本音はリオンの耳には届かず暗闇に消えた。
「こっちに来たばかりで慣れない事の方が多いだろ、それなのに女にしちゃ俺等と対等にいるだけですげぇのによ少し庇った位でしょげて、少しぐらい男を立てろよ」
「………?」
リオンの言葉が理解出来ずに首を傾げる。
「守らせろって事わかったか」
「わからん」
「だから」
延々と説明して理解させようと話しているリオンに対しずっとわからんの一点張りで理解していないのではなく理解しようとしないふうに見える青空。
「だから!!黙って守られてろよ!!解ったかよ!!」
「わからん!」