かみさまの椅子
団員が居ないせいか恥ずかしいセリフも気にせず声を大にして言うリオン。
そんな事を気にせずリオンのセリフを右から左に流す青空だがそろそろ聞き飽きたのかリオンの小言を止めようとした時だった。
―グルァァアァァ!!―
空気が震えるぐらいの雄叫びが空間に轟きリオンと青空はピタリと足を止め当たりを見回す。
片手に持っていたランプを持ち上げ先に続く道を照らす、緊張が走りリオンの眉間に皺が寄る。
ノッシノッシと重圧な足音がし灯りに照らされた先にはぼんやりとこの空間いっぱいまで高さがある巨大が現れフゥゥと荒い鼻息が聞こえる。
初めて見る巨大な生き物にゴクリと生唾を飲み込み緊張する青空。
リオンが無言で青空にランプを無理やり持たせ青空の前に立つ。
「ちょっ!何これ!私も戦う!」
「うるせぇ、黙って後ろにいろ」
コートを掴みガサガサ揺らして自分も戦おうとする青空を力ずくで抑え、脇に差していた少し剣先が反ったらダガーを手にする。
―ガァァァアァァ!!―
再び地なりの様な雄叫びを上げ、怪物は リオン達に向かい突進してきた。