かみさまの椅子


「「…………」」

言葉に出来ない程の痛さに二人はうずくまっている。


「……おい……大丈夫か?」


涙目の二人は無言で頷き立ち上がる。


「悪いけどゆっくりしてる暇ねぇから、行くぞ」


「……うぅ痛い」


顔をさすりながらリオンに腕を引かれ小型機に乗り込む青空とフィード。


乗り込むと同時にガクンと小型機が揺れ、慌てて小型機は離陸した。


開けたままの扉から顔を出せば先程までいた浮き島はガラガラと崩れ落下していく、残ったのは蒼くて強く輝く巨大な石。


「凄い」


蒼く輝く石が浮遊するのを不思議そうに青空は見つめていた。

「あれが飛石だ」


「あれが飛石」


横に並び見つめるリオンに顔を向け又飛石に視線を戻す。


「あんなデカいのは初めて見たけどな、だいたい浮き島が崩れ落ちる現象じたい初めて見た、もう危ないからドア閉めるぞ」



ドアを閉めようと手を伸ばす。


「ま、待って!」


「あっぶねぇだろ!」

何かに気づきドアから身を乗り出す青空。


『キュ~』


可愛らしい声が聞こえしゅるしゅると細長いのが中に入り込みリオンは慌ててドアを閉める。


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