かみさまの椅子
ドンドンドンドンドンドン!!!
ダダダダダ!!
ガッ!キンキン!!!
すぐ側で起こっている出来事に耳をふさいで目を閉じ、何も起きて無い、何も起きてないと自分に言い聞かせて現実逃避を計るも嫌でも聞こえてくる叫び声や怒鳴り声、荒々しく走り回る音、斬りつけた鋭い音、それら全てが少女の耳に入り込む。
恐い、ただ恐怖が少女の体を震わせる。
バタン
「えっ?」
倒れる音を聞いて顔をあげれば木箱の隙間から見えるのは手だった。
手首から指先までしか見えない、その手がピクリとも動かず暫くしゆっくりと鮮やかな真っ赤な血が流れて来た。
それを見て手を口元で抑え喉の奥から声にならない悲鳴が出た。