かみさまの椅子
『キュ~』
「「あっ」」
沈黙の中もくもくと皮むきに勤しんで居た二人だが、くぐもった鳴き声に思い出したように二人の間に山盛りになっている皮を見つめる。
ごそごそと皮の山が動いてパラパラと山の天辺から皮が数枚落ち、そこから顔だけを覗かせその愛くるしいまん丸の黒目をせわしなく動かす空色の龍。
「龍之介~やっと起きたか~」
笑いながらつるんと丸びおびた鼻先を撫でる青空、それが気持ちいいのか目を細めて青空の手にスリよりうねうねとその細い体を皮の山から出てくる。
「ねぇやっぱりリューノスケなんて名前ダセェよ、タジマールサンダーナインがいい」
「長いしそっちの方がダサいよ、龍之介だってこっちが好いって言ってるし、ね~」
『キュ~♪』
「チッ」