かみさまの椅子


「…な…………なんだったんだ今の」


抱き寄せていた腕から解放されへたり込む青空。

「大丈夫か?」


それを見下ろすリオンは平然としている。

「………今の何」

「巡回中の空軍に見つかりそうになったから逃げたんだよ」

「蹴散らせばいいじゃん、天下のシュヴァルツバルトでしょ」


「今あいつらに目を付けられると何かと動きづらい、政府の奴らとマジで喧嘩売るならそれなりに準備がいんだよ」



言い終わると手を差し出し青空はその手を掴めばリオンが軽々と立ち上がらせてくれ、うっすらと付いた誇りを払うという気遣いも見せるリオン。

時々青空はこのシュヴァルツバルト空賊団にいるリオンに少し違和感を感じる時がある、荒々しい喋り方や言動だが偶に見せる気遣いや仕草に何処か気品漂うものを見ることがある


そんな所を目にする度に違和感を感じるのだ。



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