かみさまの椅子
「私はねー!!…………」
「ん?」
張り上げていた声が一気にしぼんでぶつぶつ何やら呟きだした。
「何突然気持ちワリー」
「お腹空いた、これ以上エネルギー消費したくない」
どよんとした溜め息と共に吐き出された言葉。
「お腹と背中がくっつく」
「今日まで何だから頑張れよ」
「くっアルタはいいよね昨日の脂ののったジューシーに炙った骨付き肉、シャキシャキの新鮮な瑞々しい野菜」
もう先程の怒りなど何処へやら昨日の夕ご飯を思い浮かべてさらに呟き遠い目をする青空にアルタは流石にまずいと感じたのかパソコンをスリープ状態にし肩に掛けていたショルダーバックに入れて樽から飛び降りる。
「奢るからガルドには黙ってろよ」
「!!」
「ほら行くのか行かねーのかどっち?」
「行く!!いやんアルタ大好き!!じゃあねー炙った串焼きにしたエリタン牛に塩焼きにしたオマーン海老に後々」
「頼むから一つにして」
次から次へと出てくる食べ物にアルタは聞いてるだけで胸焼けしそうになるし。
五月蝿くなった青空に奢るなんて言うんじゃなかったと少しだけ後悔していた。