かみさまの椅子
ホカホカと美味しそうに湯気を立ち上らせ香ばしい香りを放つ手元にある串焼きにされたソーセージに目をキラキラさせる青空
「あぁもう!美味しそうだなこのやろー!!」
「恥ずかしいから静かにしてくんない」
よほど嬉しいのか目にはうっすらと光るもの
(たかが90ニールの物で感動するなんて安い奴)
日本円にして百円、しかし空腹に苦しんだ青空にとってたかが百円程度でも涙ぐむ程嬉しいのだ、例え場所が街の中心人が大勢居て白目を向けられようが声を大にしたい程嬉しいのだ。
お腹が先程からグーグーと早く食べろと急かすように鳴り続け、口からは食べたときのジューシーかつ香ばしい味の想像だけで涎が垂れそうになる
「いっただきまーす!」
さあ食べようと嬉々として口を大きくしてかぶりつこうとしたその時、青空にとっての悲劇(大袈裟)が起きた。
お約束と言うのか突然青空に人がぶつかって来たのだ。
予想だにしないアクシデントに対応出来ず青空の手にあった竹串に刺され炙られたソーセージは青空の手から離れ綺麗に孤を描いてピューンと飛び数回回転した後ぽてりと地面に落ちた。