かみさまの椅子

血塗れで、呼吸も浅く少女はセーラー服のタイを外して一番酷い腹部の傷口に押し当て血を止めようと押さえるも、血は止まる事も無くただ流れるばかりで少女の額には冷や汗が滲んできた。

「やだやだやだ、止まってよ！」

気持ちばかりが焦って回りが見えなくなって居たからか、今この場所が戦場になっている事を少女は忘れていた。


背後から迫る刃物に気が付かず少女は血が止まる事を祈っていたが一瞬何かに気が付き、瞬きをすれば突然横に体を捻って背後から迫る刃物をスレスレで避け、避けきれなかった黒髪が数本ハラハラとその場に散った。