かみさまの椅子



「!!!!!」

口を開けたまま目を見開き、声にならない叫びをあげた。

「あぁすまないお嬢さん」


落ち着きのある渋い声に青空は食べ物の恨みとばかりに表情が般若の様に歪みぐりんと首を向ける。

「今の奴を2つくれ」

顔を向ければすらっとした身長の濃紺のジャケットを羽織った男が背を向け今さっきアルタがウィンナーを買った屋台の兄ちゃんからウィンナーを二本受け取っていた。

「すまない、これで許してくれ」


そう言って二本のウィンナーを青空に差し出す、途端に般若の仮面が剥がれニコニコしながらウィンナーを受け取る。

「まぁ私も余所見してたからどっちもどっちよ」


(嘘付け)

心の中で突っ込み、ウィンナーが食べられなければ般若の様な顔で血祭りにする様がまざまざと頭に浮かぶアルタだが、それとは別に内心舌打ちする、ウィンナーで機嫌を好くした青空と何やら話している男に警戒心が浮かぶ。


(よりによって二丁拳銃の魔弾と鉢合わせるとは)


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