かみさまの椅子


アルタの心配をよそに青空とゲイリーは仲良く談笑している。

賞金稼ぎとして有名なゲイリー、こんな所に居る理由など呑気に観光と言うものじゃないのは彼の物々しい武装した姿を見れば一目で解る、獲物を狩りに来たのだろう。

今この街にはアルタの持っている情報によれば良い値の付いている賞金首は白獅子と呼ばれている団長のリオンと首猟などと物騒な通り名が付いているジェスー・ウィンスリだ。


二人は面もある程度割れているが、アルタに青空はシュヴァルツバルトの中でも下っ端だ、気づかれる前に魔弾とはおさらばしたいと思うアルタだがそんな事は脳天気な青空は知る由も無い、だいたい青空はリオンに賞金が懸かっている事じたい知らない、会話の中でポロッとリオンの事を話さないかアルタはドキドキしていた。


「ところでお嬢さん?」

「なんだい?」

脳天気な青空の頭を一発殴りたい衝動を抑えるアルタだがそれよりも心臓に悪い事態になっていた。


「白獅子と呼ばれている空賊は知らないかい、ここの街に潜伏しているんだが」


とゲイリーが取り出したのは一枚の紙で紙には金額となんとも悪そうな面構えをしたリオンの横顔だった。



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