かみさまの椅子

「ガルド、ハイドそいつつまみ出せ!」

リオンが叫ぶやいなやがたいのいいガルドは今まで座っていた椅子をゲイリーに向けて投げ飛ばし、ハイドは持っていた折りたたみ式の頑丈な棒で椅子を避けたゲイリーの脇腹目掛けて振り切り、ゲイリーをドアごと酒場の外に放り出した。

「っつ」

腕を丸めて受け身の姿勢で地面を転がり 数回転がった後足に力を入れて横に飛んだ。

ダンッ!

飛んだ瞬間にゲイリーの頭上すれすれに一振りの剣が地面に突き刺さった。

「多勢に無勢だな」

「うるせぇよ、不意打ちかました奴がよく言う、だいたい俺は今丸腰なんだよ」

「その剣は何かな?」

「借り物、こっちはやる事すましたかろ後はお姫様二人待ちなんださっさと終わらせるぞ」

地面に突き刺さった剣を引き抜きリオンはかったるそうに言う


「あぁ君の所の噂の姫君なら先程会ってきたよ」

「…………」

「良い子達だったね、残虐非道と言われている君と一緒に居る事が不思議でしょうがない」

「…………じゃじゃ馬娘だがな、アイツに何した?」


「さあ?」

「無理やりその口こじ開けてやるよ」



日は傾きオレンジ色に染まる中二人の男がぶつかり合った。
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